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相続って具体的にどんな手続きが必要なの? |
※本稿はなるべく分かり易く表現する為に法律用語を噛み砕いて記載されております。
そのため、民法その他の法令上の本来意味と厳密には異なる文言も御座いますが予めご了承下さい。
1.相続とは
生身の人が亡くなった時に亡くなった人が持っていた財産や借金などを受け継ぐことを指します。
相続の方法として3つの方法があります。@亡くなった人の借金や財産をそのまま一切合切受け継ぐ方法、A亡くなった人がいくら借金をしていたのか、いくら財産があるのか分からない場合に、借金と財産を差し引いて、借金が多かったら何も受け継がないけれど、借金よりも財産が多かったら、その差し引いた財産を受け継ぐ、つまり、プラスならもらうけど、マイナスならもらわないとする方法、B財産であろうが借金だろうが一切合切を受け継がない方法です。
2.亡くなってからの具体的な手続きの流れ
@死亡届
亡くなってから、まず最初に行わなければならないのは死亡届の提出です。大切な方を亡くされ、深い悲しみの状況ではありますが、亡くなったことを知ってから7日以内に亡くなった場所、または住んでいた場所、もしくは本籍地の市区町村役場へ提出します。死亡届と一緒にお医者さんの死亡診断書、または死体検案書を提出します。また、死体火葬許可申請書を死亡届と一緒に提出するのが後々便利となるでしょう。これらの書類は市区町村役場に置いてありますのでご自身でも手続きが出来ます。死体火葬許可申請書を市区町村役場に提出すると死体火葬許可証がもらえます。それをもって、火葬場で火葬してもらえるようになります。火葬後、火葬場から死体埋葬許可証がもらえます。これをもって、墓地などで埋葬が出来るようになります。(※世帯主が亡くなった場合、同じ世帯に2名以上残っている場合は世帯主の変更届を提出する必要な場合があります。)ご不明な点がある場合は市区町村役場や行政書士にお問い合わせ下さい。
※なお、葬儀業者の方がこれらの役所に提出する書類を有料で作成代行する場合は行政書士法第19条第1項違反として1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。違法行為に関わらないように一般の方も注意が必要です。
A遺言書の有無
ようやく埋葬も終わったところですが、さらにもう少し手続きが必要です。まず、遺言書を予め故人自筆でが準備されていたのであれば、遺言書を見つけます。この自筆遺言書を家庭裁判所へ持って行き、検認手続きを受けます。検認手続きとは、裁判所という公的な場所で遺言書があります、ということを確認するための手続きです。したがって、自筆の遺言書が見つかっても封を開けないで家庭裁判所に持っていく必要があります。また、生前に故人が、「何とかという先生に公正証書遺言を作ってもらった」ということを話していたならば、最寄りの公正証書役場に問い合わせをしてみると良いでしょう。また、行政書士や司法書士または弁護士の先生のお名前が分かればその方に問い合わせをすることも良いでしょう。公正証書遺言の場合は裁判所の検認手続きが不要ですので直ぐに相続手続きを開始することができます。
B相続人・相続財産の確認
まず、相続人が誰なのかはっきりさせる必要があります。故人の除籍・改正原戸籍・戸籍謄本を集めると実のお子さんが居るのか居ないのか、養子が居るのか居ないのかなど、公的に証明できることとなります。これらを戸籍類を本籍地の市町村役場で亡くなってから生まれるまで遡って集めます。この手続きは不慣れな場合は難しいかもしれませんが、役所の方や行政書士、司法書士などの専門家に問い合わせれば教えてくれます。また、市町村役場では無料相談なども行っているところもありますのでこちらを活用することも良いでしょう。なお、相続人のうちに未成年の方が居られる場合は家庭裁判所に特別代理人という人を選んでもらう手続きが必要となります。未成年者は判断能力が大人と比べて弱いかもしれませんので、法律でこの手続きを義務付けています。さて、相続人が戸籍などで公的に判明・証明できましたら、今度は相続財産がどれだけあるのかを探してみます。タンスの中の通帳やら保険証券、権利証(登記識別情報)などとにかく探せるだけ探してみます。そして相続財産が判明しましたらプラスマイナスを計算します。大方の場合はプラスの財産の方が多いかと思いますが、明らかにマイナスの財産となる場合は責任を持ってその借金を肩代わりするのも良いですし、裁判所にて相続放棄の手続きをすることも良いでしょう。なお、この相続放棄などの手続きは亡くなった事を知ったときから原則として3ヶ月以内に行う必要があります(さらに3ヶ月の延長の手続きもできます)。3ヶ月の間何も手続きを行わないとプラスの財産もマイナスの財産をそのまま引き継ぐこととなりますので注意が必要です。
C各種の名義変更手続き
相続人や相続財産が判明した場合は、故人の名前の財産を相続人の方の名前に書き換える手続きが必要となります。遺言書が無い場合は相続人の間で誰が何を相続するのか相談して、その結果をまとめた協議書を作ります。この協議書を遺産分割協議書と呼びます。大方この遺産分割協議書と故人の戸籍類及び相続人全員の印鑑証明書が揃えば後は手続きはさほど難しくないでしょう。銀行によっては何とか書類に記名捺印するように指示されましたり、不動産の名義の変更については権利証(登記識別情報)などが必要になったりします。なお、社会保険事務所では遺族年金など社会保険の手続きをしましたり、市町村役場では国民保険や年金の手続き、株式や電話料金の請求先などの変更も必要となりますので詳しくは社会保険事務所・都道府県・市町村などの各機関にお問い合わせ下さい。
Dその他の手続きや相続予防法務
相続税がかかる場合は少ないのが現状ですが、相続税がかかる場合は相続税の納付を行わなければなりません。また、都道府県税事務所にも名義人の変更の手続きをされたほうが良いでしょう。高額医療費制度おける請求手続きも亡くなる前に病気などで多額の医療費がかかった場合は活用することも検討してみると良いでしょう。
多額の財産をお持ちの方は、万一ご自身が亡くなった場合に残された方、相続人の負担を減らす方法も一考する価値があるでしょう。すなわち、相続時精算課税制度や居住用不動産の配偶者控除、または住宅取得資金の特例制度、年間贈与非課税制度のなどです。
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